友達に誘われて参加した音楽イベント。
バーカウンターでうっすいお酒が待っていると思っていたら、美味しいコーヒーを淹れ続ける男の人に出会った。コーヒーは朝飲むもの。勝手に作り上げていたイメージが崩れた。
キャリーケース1つでイベントにコーヒー屋さんを出店するthink coffee like a steakの飯田リョウさん。産地や焼き方を選ぶステーキのように、コーヒー1杯も選んで欲しい。素敵なコンセプトを持つコーヒー屋さんにインタビューをしました。

左:イイダリョウ 右:池原京花
━━ BOY MEETS ARTの池原京花です。今回はよろしくお願いします!
こちらこそよろしくお願いします〜!飯田りょうです。1996年生まれです。
━━ バブル崩壊した直後に生まれたんですね。
素晴らしい時代に生まれました。
━━ 生まれた時からインターネットがある、素晴らしいですね(笑)今回取材させていただく、オリジナルコーヒーブランドはいつから始められたのですか?
友達が主催するイベントがあって、僕がコーヒー屋さんをしているのを知っていた友達が招待してくれたのがきっかけです。ちょくちょく「イベントでコーヒー出してくれ」と招待されていて、この機会に「イベント専用のオリジナルブランド」作ろうと思ったのがきっかけです。
━━ 店を構えるというより、ポップアップがメインなんですね〜!珍しい… オリジナルブランドのお名前、ぜひ教えてください…!
ブランド名は「think coffee like a steak」です。意味は「コーヒーをステーキみたいに考えよう」です。
━━ ほうほう…と言うと?
ここ何年かでコーヒー屋さんやカフェがとても増えていて、若い世代の人たちがコーヒーに接する機会がかなり増えたんです。
━━ コンビニとかもありますもんね。
そう。コーヒーって結構国や焙煎方法によってかなり違いがあるんですよね。それを知らない子たちが多くて、コーヒーにネガティブなイメージを持っている人がかなり多いのが現状です。「コーヒー=苦い」みたいな感じ。
━━ あ〜それ私もですね…!インタビューさせていただいてる身にも関わらず、実はコーヒー飲めません(笑)「苦いもの」って思ってました。
今時のコーヒーって、紅茶みたいに飲めるフルーティーなものもあるんですよ。そういうのも含めて、コーヒーを自分で選んで欲しい、って思います。

例えばなんですけど、自分の誕生日に5000円のステーキを食べるってなったら、産地選びませんか?
━━ 黒毛和牛がいいです、神戸牛でも可。
神戸牛にしましょう。産地を選んだ後に、ミディアムとかミディアムレアとか焼き加減を選ぶと思うんです。5000円もね、払ってますし。
━━ 1回5000円…きゃ〜〜〜!
きゃ〜〜〜!コーヒーって大体1杯500円なんですけど、飲む人は月に10回くらいカフェに行って友達とおしゃべりしながら飲むと思うんです。
━━ 旦那は月に30回は飲んでいますね。この間でかいコーヒーマシーン買ってました。ウィーーーーーーーンって豆から挽くやつ。
ウィーーーーーーーン!(笑)それはコーヒー中毒ですね。でも月10回程度飲む子でも、換算したら月5000円。コーヒーって1回5000円のステーキと同じ価値があると思っています。
━━ ちりつもですね。
そう。ちりつもなんです。身近にありすぎてナアナアになってる人がいると思うんです。でも身近だからこそ、自分にあったコーヒーを、自分で選んで、素敵な人生を歩んで欲しいなって。
━━ あー!素敵!毎日ちりつもでハッピーが増えますもんね。
ちりつもで、ハッピーです(笑)

━━ 今はイベントのポップアップがメインで活動されていると思うんですが、何かこだわりはありますか…?
こだわりかぁ…普通のコーヒースタンドで飲むコーヒーと、全く遜色ないクオリティをイベントで出している自信はあります。あとは自分でコーヒーを淹れることですね。
━━ イベントに本当に美味しいコーヒー屋さんあるの嬉しい…豆だけを販売したりしないんですか?
豆の販売にはあまり重きを置いていないですね。豆って豆本来のポテンシャルや、ロースター(豆を焼く人)の個性が出るんですよね。でも、コーヒーは淹れる人によっても味が変わるんです。
━━ そんなに変わるんですか…?本当に無知すぎて恥ずかしいんですが、お湯を入れるくらいって思っていました…
変わります!1杯の豆の量やお湯の量、淹れる時間や温度など……言い出したらキリが無いですが、様々な要因で美味しくなったり不味くなったりします。
━━ じゃあ料理とかなり似ているんですね…食材がどれだけ良くても、料理が下手だとまずくなっちゃうみたいな…
あ!そうですね!でも、その人自身が「美味しい」と思えるなら全然いいです。あと僕が淹れたコーヒーを手渡しした時に、若い世代の子達が「え!美味しい!」「ブラックでも飲めるやん…!」と感動してるのを見るのが嬉しいですね。
━━ うわ〜〜!飲んでみたい〜!

僕も高3までコーヒーが飲めなかったんですよ。でもスターバックスコーヒーでバイトするようになって、コーヒーを知って、確実に人生が潤ったなと思います。コーヒーを知らずに飲むのと、コーヒーを知って自分で選んで飲む。自分で気付くほどの変化はないかもしれないんですけど、ちょっといいよね。って(笑)
━━ な〜確かに。コーヒーってただの飲料ではなくて嗜好品ですもんね。自分の好きなコーヒー見つけて飲みたいかも!ちなみにthink coffee like a steakのコーヒーはどんな特徴があるんですか?
それはグッドクエスチョンですね!大まかに分けて3種類用意しています。浅煎りとか深煎りとか知っています…?深煎りって焼き加減が強い事を言うんですけど、苦く濃くなります。
━━ こんがりトーストみたいですね。
…ナイス。反対に浅煎りはあまりお豆を焼いていないものを表します。焼かなかったら、お豆によってはフルーティーな味わいになります。ざっくりな説明になりますが。(笑)
━━ ひえ〜知らなかったことが多すぎる。浅煎り、女性が飲みやすそう〜!
本当にそうで、お紅茶みたいなんです。なので浅煎りは女性ウケがとっても良いです。女性の中でも濃いのが好きな方もいらっしゃいますけどね。
━━ コーヒー界のジャニーズみたいですね…think coffee like a steakは3種類でいつもなさっているんですか?
エスプレッソマシーンがイベントに持っていけたら、カフェラテも用意しています。カフェラテはエスプレッソとミルクで、できるドリンクで、そのエスプレッソを抽出するためにはエスプレッソマシーンが必要なので。

━━ どんどんコーヒーを飲んでみたくなっているのですが、オススメの飲み方ってありますか?
僕、一番好きな飲み方があって「友達とおしゃべりしながら飲むコーヒー」が一番美味しいと思っています。コーヒーって嗜好品なので、嗜むくらいがちょうど良いかなって思います。
━━ うわ〜良いですね。イベントって友達と行くことが多いので、ポップアップを出店して空間と混じり合う感じが素敵…!
そうですね。イベントに出店するときは、キャリーケース1つ分でコロコロって行けるので。
━━ 紹介文は決まりましたね「キャリーケース1つで、イベント出店ができるコーヒー屋さんイイダリョウ」です。
良いですね、それ(笑)

━━ 今後の目標とかありますか?
30歳までに自分の店を構えたいな。って思っています。貸しスペースとかを併設していて、イベントとかやったり、老若男女いろいろな人が集まる場になったら良いなと思います。店を構えて、ドヤ顔してたいな〜
━━ 良いですね、集う場所。リョウさんの雰囲気にみんな惹かれて集まって来そうです。最後にリョウさんのコーヒーがどこで飲めるのかを教えて欲しいんです!
The ANCHOR Coffee & Wine Standです。元町にあるのでフラっと来ていただけたら嬉しいですね。
━━ 仕事前に寄ったり、友達と遊びに行きます〜!
コーヒに本当に疎い私でしたが、インタビューが終わった頃にはすっかり自分に合ったコーヒーをイメージしていました。
大好きな純喫茶で頼むフルーツオレ、卒業してみようかな。
美味しいコーヒーと、ふらっと買った本で休日を過ごして見たいな。
「自分で選んで、素敵な人生を歩んで欲しいな」と言う言葉、コーヒーだけではない。どんな道に進むか。どんな環境に身をおくか。どんな人と付き合っていくか。毎日持ち歩くお守りのように、大切にしたい言葉だ。
私のコーヒーはどんな味なんだろう。
りょうさんに淹れていただいたコーヒーは、フルーティーですっきりとした浅煎りのコーヒーだった。
イイダリョウ @11daryo
Writer / Ikehara Kyoka @ikeharakyoka
Photographer / Iwagoshi Daichi @g_____osiii