幼少期の頃から、アートに触れ親しんできたrikaさん。
たくさんの色を使った抽象画でありながらも、違和感を感じさせず、どこか優しい気持ちになります。そんな作品が生まれるルーツはなんなのか、今回じっくりとお伺いしました。
マリ:はじめまして。BOY MEETS ARTのマリです。今日は宜しくお願いします!
rikaさん(以下rika):はじめまして!お願いします!
マリ:rikaさんは今回が初の個展ということですが、普段どのような活動をされているんですか?
rika:大学に通いながら、美術教室で講師としてアルバイトをしていて、合間の時間に個人の制作活動をしています!
マリ:美術教室の講師をしていらっしゃるんですね!通っていらっしゃった教室でのお仕事ということですか…?
rika:はい、小学校5年生から高校生2年生まで生徒として通っていました。小さいころから描くのが好きだったので、親も美術教室に通わせたいと思ってくれてたみたいで。
でも、与えられたテーマに対して描くようなスタイルの教室は向いてないんだろうなって美術教室選びが難航していました。そんな時に、ポスターを観て「ここなら!」と思い、通い始めたのがきっかけです。入ってみると、はじめは怪しげな先生が出てきたので、大丈夫かなって不安に思いました(笑)
マリ:怪しげな先生(笑)
rika:でも今まで観たことのない画材があったり、紙を例に挙げてみても、半紙があって、画用紙があって、それぞれの種類もたくさんあって。プロが使っているものと同じものに触れることができる環境にすごく感動しました。
マリ:そんなにたくさんの画材に触れるなんて、普段の学校生活では経験できないですもんね!
rika:それから、美術教室に行く日が楽しみで、先生とお話する中で、こんな世界があるんだって気付きました。先生も私も服が好きなんですけど、学校終わりに美術教室へ行ったら、先生が「りか、来て来て~!Diorの靴こんな綺麗やねんで~!」って雑誌を見せながら教えてくれたりして、「この人こんな風に生きてるんや、面白いな」と思いました(笑)
マリ:先生素敵すぎます(笑)”いいな”と思うものを共有することってすごく楽しいですよね!
マリ:小さいころからアートに触れる環境で過ごす中で、主にどんな作品を作っていらっしゃるんですか?
rika:初めの頃は少しエロスが感じられるような女の人の絵を書いていました。裸婦画を描くこともありましたね。ファッションに興味があったので、着せ替え人形のようなニュアンスで描いていたのかも知れません(笑)
マリ:着せ替え人形を描いてしまうという発想がすごいです。(笑)
rika:でも高校3年生から、何を描いていいのかわからなくなって、描けなくなりました。普通の大学生として、遊びやバイトで充実した生活を送っていたこともあって、絵から離れていた時期でしたね。
そんな中で「キャンコレ(注)」との出会いがまたアートに関わるきっかけになりました。キャンコレを経て、いろんな人に出会って、自分の好きなこと・やりたいことを話している姿を見てかっこいいと思うようになりました。
マリ:刺激しあえる仲間と出会ったことが、rikaさんの気持ちを動かしたんですね…!
rika:そのタイミングでまた先生とお会いする機会があったんです。先生とお話するなかで、講師としてもう一度、美術教室に関わるようになりました。初めは全然描けなかったんですけど、講師として生徒が描いている姿を見るうちに”描きたい”と思えるようになりました。
マリ:描けない時期を経て、作品に変化はありましたか…?
rika:はい。作品の雰囲気も変化してきて、絵の具で今までは描かなかったような、「抽象的な絵」を描くようになりました。描き方も変わってきて、前までは感覚で”これ好きやな”とか、”良いな”と思ったものを描いていたんですけど、最近は、「あらかじめ描きたい雰囲気を決めて、それを表現するためのプロセスを考えて描く、そして描いてみてどうだったか結果を考える」といった流れで、実験的な要素も加わった描き方になりました。
マリ:理論立てて描くようになってきたんですね。
rika:実験的に表現するといった方法も窮屈ではなくて、むしろ快感で自分にあってるなと思いました。キャンコレの広報を通して、SNSやメディアを作る中で数字の世界を見ることが多かったんですけど、運用していくなかで、「どう見られるかを考えて表現する」という作業が結構好きなんだなって感じました。
アーティストの方って我が道をゆく、という方もいると思うんですけど、自分の世界観で作品を作るだけではなく、作品を展示する場所や人など、環境によって作品の良さをどう生かすか考えるのが私は好きなのかなと思います。
マリ:なるほど…!今回の展示もそのように作られるんですか?
rika:そうですね、今回は、特に「素材」にこだわろうと思ってます。メディウムという、絵の具に素材感を加えられる画材を使って、自然が生み出す色の組み合わせを表現したいと思ってます。また、今までの女性をモチーフとした作品と合わせて展示をして、集大成としたいですね。
マリ:”自然が生み出す色の組み合わせ”がすごく気になります…!展示がますます楽しみです。では最後に、rikaさんの今後の展望をお願いします!
rika:2020年の3月に先生とコラボした企画を行うことになっています。主に先生の作品を展示するんですが、私はそのディレクションを行います。元々、お菓子工場をだった建物を会場にして、平面、立体、インスタレーション作品をかけあわせた展示を行うので、是非来てください!
将来は、アートを共有出来る「場所」を作りたいと思っています。小さいころから美術教室に通っていたことや、今、子どもと関わる仕事をする中で、私は”綺麗なものを知ることが「様々な」選択肢を広げる”と感じています。
昔、自分がしてもらったように、写真や雑誌などさまざまなものを通して綺麗なものを知ることができたり、コミュニケーションが取れる空間が作れたらいいなと思っています。
マリ:価値観が広がる空間になりそうですね…!今日はありがとうございました!
9月24日からLINDA HOSTEL106にて、rikaさんの初めての個展が開催されます。
抽象画の中に繊細な色使いが合わさった作品を体感しに、皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
(注)キャンコレ
キャンパスコレクションの略称。台湾・東京・福岡・大阪・名古屋・札幌・仙台の6都市で行われる総合エンタメイベント「CAMPUS COLLECTION 」。ファッション、ダンス、ミスコン、よさこいといった様々なコンテンツで学生のパワーを発信している。
rika
instagram:@kkt.r_
Writer / Mari kokaji @__mari__kokaji