コラム『ミラーボール』

コラム『ミラーボール』

弱冠22歳、気鋭の映画脚本家 安楽 悠作
コラム Vol.6『ミラーボール』

安楽 悠作
 平成9年9月28日生まれ
 父親の影響などで小学生の頃から洋画をよく見るようになる。
 高校に入ると実際に自分でも何か創りたいと考え始める。
 高校卒業後に高校の同級生であり、部活も同じだったメンバー数名で自主映画「ノイズキャンセル」を撮る。同作は第5回元町ショートフィルムフェスティバルに応募され、上映される。平成31年、自主製作2作目となる「今を吐く」を撮影。映像はもちろん、脚本や執筆など広く活動していきたいと述べている。
 Twitter/@LuckyouSuck

ミラーボールって良いですよね。

 何が良いのかと聞かれるとなかなか答えるのが難しい。
ただ見ていて綺麗だし、ミラーボールのある場所とか状況そのものが楽しかったりする。ライブハウスやクラブの天井に吊るされていることが多いし、音楽やダンスシーンには欠かせないものだから、そういう自分の気分が高揚している瞬間の記憶にミラーボールも相まって刻まれているのかもしれない。

 でもミラーボールの起源って何なんだろう。ざっと検索してみてもこれといった記事はあまり見つからない。
 日本ではやはりディスコブームの時代に最も製造されていたようで、世界では欧米のキャバレー文化とともに戦前から存在していたらしく「ディスコボール」とも呼ばれているみたいだ。

 少し話は変わるけど、以前「公正」という言葉の意味を形に表すとどんな風になるのか考えたことがあった。
 最初は平等や公平とも意味が似てるし「平ら」や「輪」みたいなことなのかなと思っていたが、とあるミュージシャンのコンサートでステージに吊るされていた巨大なミラーボールを見たときに、そうか『球』なのかとふと思った。

 音楽は時々その表現自体が「尖っている」などと言われることがあるが、それもまた誰かの隙間を埋める存在である限り音楽は丸い。それこそ誰に対しても平等であり、公平であり、公正である。そうあるべきだと思う。
 回転する球体の下で歌い踊る彼が、彼自身はきっと孤独を抱えながらも言葉や音でそれを表現し続けてくれたことで僕はそう思うことができたのかもしれない。彼の音楽にこそ誰も傷つけない丸みがあった。

 実際には「equality(平等)」も「fairness(公平)」も「impartiality(公正)」も意味は少しずつ違うのだけど、僕がイメージしていた「偏りがない」「差別しない」という意味を『球体』が表しているというのは妙に腑に落ちた。

 ミラーボールのもうひとつの特徴はその名の通り『鏡』だ。
 なかにはボールの内に光源を持って自ら多彩な光を放つものもあるが、僕はやはり鏡で覆われているだけのシンプルなやつが好きだ。
 ステージ上の大スターに射す一点のスポットライトも良いけれど、それらを一身に受けたミラーボールがその場にいる人々に余すところ無く光をあてる光景は、夜道を照らす月のような希望に満ちていていつも感動させられる。これはやはり丸くなくてはいけない。
 ミラーボールが回ればそこは刹那の宇宙空間となり、人々は社会の重力と時間を忘れて鼓動のままに腰を揺らす。プラネタリウムがミラーボールの原型だという人がいるのもわかる気がする。

 とにかく、ミラーボールって良いですよね。

安楽

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