海と空の間に浮かぶ水上スクリーン『うみぞら映画祭2019』

海と空の間に浮かぶ水上スクリーン『うみぞら映画祭2019』

海と空の間に浮かぶ水上スクリーン
『うみぞら映画祭2019』

夏の忍び寄る足音が日を増すにつれ大きくなる5月のおわり。汗に濡れる通勤を考えるだけで憂鬱になるが、そんな晴れない気持ちを爽やかに散らしてくれるイベントが5月26日、淡路島の洲本で開催された。

《海と空の間に浮かぶ水上スクリーン『うみぞら映画祭2019』》

-「波音をBGMに映画鑑賞ができる」という広告のキャッチコピーに、やられた。夏がただの “嫌なやつ”なんかじゃなかったことを思い出す。
海、音楽、ビール….。どれも夏という言葉と一緒になるとその輝きを増す言葉ばかりじゃないか。

すぐに支度を整え、普段は使わないフィルムカメラを片手に、神戸から淡路島に向かう高速バスの切符を買った。

混雑気味のバスに揺られて何分かたった。鳴門海峡にさしかかって海を見下ろしても、あの渦潮は見えない。そういえば前に来た時も見えなかったな。

次に気付いた時にはもうバス降り場だった。海のある方向に歩いていると、砂浜で生きる松の木の原生林の隙間から、冷たそうなグラスを片手に、陽気な音楽とともに楽しそうに踊る人たちが見えた。美味しそうな匂いのする屋台がたくさんあり、中には淡路島の特産品を売っているお店もあった。「海ぞら映画祭」の会場はどうやらここのようだ。

21時半に始まる「ボヘミアン・ラプソディ」までしばらく時間があったので、波打ち際にブルーシートを敷いて靴を脱いだ。ビールと焼き鳥ってこんなに美味しかったっけ。

暗くなってくるとまた会場の雰囲気が変わった。疲れを知らずはしゃぎ回る子供達も、お酒が入っていつもより大きな声で話す大人たちも、ベンチから海を眺める老夫婦も、それぞれのやり方でこの場を楽しんでいるようだった。

しばらくして映画が始まろうとしていた。波音が静寂を奏でる中、ポップコーンの匂いがほのかに香りいつもの映画館を思い出させる。
やがて陽気なQueenの曲に観客皆が盛り上がり、最後は立ち上がってみんなで合唱した。

映画が終わってふと空を見ると、満天の星空に気づく。
映画を見終わった後は自分にも大きなことが成し遂げられるような気がしたけど、大きな海と星たちに挟まれると、自分は大きなの銀河の中の1つの塵に佇むちっぽけな存在なんだなんて思ったりして、でも、それでもここに来て良かったと思った。また来たいな。

Writer / Hamada Rin @008BMA
Photographer / Iwagoshi Daichi @g_____osiii

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